新しい GR 欲しいなと思って、ウェブで探してみたら在庫不足で 3ヶ月待ちだという。
半導体不足がまだ解消しないのか、あるいは、しれっと受注生産に切り替えたのか、受注の方がリスクが少ないのならばそれで良いと思うが、それならそうと言っても良いと思うのだが、文句を言う人もいるのだろうか。
他のカメラはどうなのかと気になったが、おかげで変なスイッチが入ってしまい、気になっていた FUJIFILM のカメラを調べ始めた。
FUJIFILM はカメラの種類が多いイメージがあって、よくわからないなという印象があった。
まず、センサーサイズのフォーマットとしては GFX システムというラージフォーマットの展開(中判カメラのような感じだろうか)と X システムという APS-C サイズのセンサーサイズの展開がある。
GFX は興味あるが、金銭的にも使用頻度的にも私には現実的ではないなと思った。
35mm フルサイズ機がないのいうのはこだわりだと思うが、最近 K-3 III を使っていて APS-C で十分だという感じがしているし、小さいカメラを作るのには APS-C が良いのだろう。
Xシステムには、レフ機はなく、ミラーレス機だけであるというのも、小型カメラへのこだわりを感じる。
Xシステムはさらに細分化されていて、X-〇□ という名前になっている。○にはアルファベットの一文字か文字列が入り、□には数字が入る、□の後にさらにアルファベットが入る場合もある。□の数字は一桁など桁が小さいほど上級者向けの製品という区別になっているようだ。
X-H2S(裏面照射型2616万画素)、X-H2(裏面照射型4020万画素)、X-T5(裏面照射型4020万画素)は上級者向けということになる。性能を追求したモデルには違いないと思うが、違いがいまひとつ分かりづらい。 重さも FUJIFILM の中では重い部類(450 g 前後)になる。
数字が 3 桁台の機種は今のところディスコンになっているのか、ウェブサイトには載っていないようだが、軽くて使いやすそうなものの、デザインや性能面で FUJIFILM の個性が弱いと感じる。
一方で、個性を強く感じるものに、X-Pro と X-E というカメラがある。
X-Pro はレンジファインダーカメラっぽいデザインになっている。あまり詳しくないが Leica にそのような形のカメラがあったと思う。初めはこれが欲しいと思ったが、価格が結構高いのと、重さが結構ある(450 g 前後)。
X-E はデザインが良い。これが欲しいと思ったが、残念ながらディスコンになっており、価格は販売当時は 10 万円台だったはずが中古で 2 倍になっており諦めた。重さは 364 g とちょうどよかったのだけれど。
残るのが、数字が二桁台の中級者用のカメラである。X-T30II, X-T30, X-T20 などの T がつくものはディスコンになったのかウェブサイトからは消えている。この前までは X-T30II は残っていたと思うが。重さが 350 g 前後とちょうど良い。
二桁台で今ウェブサイトに載っているのは、X-S20 と X-S10 である。重さは 450 g を越えるくらいでこのクラスにしては重い部類に入ってしまった。X-T30II の後継で性能アップしたということだろうか?
GR は 250 g 程度なので、X-T30 本体のみで大まかに 100 g 重く、レンズをつけて 500 g 程度になると考えると、重量の点では倍以上にはなるだろう。
それでも、軽いズームレンズをつけっぱなしにして画角を変えられるメリットはあるし、センサーの掃除もしやすいことを考えると良いなと思う。
K-3 III 本体の重さが 800 g 程度であることを考えると、明らかに軽いし小さい。
K-1 に至っては本体の重さが 1000 g 程度もある。
X-T30 のセンサーとプロセッサーが上位機種の X-T3 と同じで、防塵防滴などのメカとしての完全性の点で下位になるというだけで大変コスパの良いモデルだったので、X-T30 をポチッとしてしまった。
何だか、今回は本当にポチッとしたという感じで、調べたら割と購入しやすい価格になっているなというので購入してしまった。
以前からフィルムシミュレーションは気になっていたし、小さいカメラでいいものないかなとは考えてはいたのだけど。
アマゾンだと中古でレンズとセットだと少し高くなっていたりしたので、本体とズームレンズは別のところから購入した。
初めは広角側だけでいいかなと思い、15-45 mm で画角的には GR III と GR IIIs の2台の範囲をカバーできることになる。
ただ、明るさの点では GR の 18.3 mm F2.8 の単焦点と比べると多少見劣りするだろうか?
最近は絞って撮ることも多くなってきたので、明るさの点はまあいいかなと。
GR は単焦点なので望遠の画角が欲しくても諦めるしかないのだけど、こちらの場合はレンズ交換ができるので、結局望遠側のズームレンズも買ってしまった。
望遠側のズームは長いので、嵩張るのと重さが増えるのはしょうがないのだけど、遠くから撮れるのは結構嬉しい。
望遠ズームの画質はちょっと劣るかもしれないと今のところ思っているが、50-230mm なので、重さと嵩張ることさえ許容できれば、むしろこちらをつけっぱなしの方が使いやすいのではと思う。
大きさ的にベストフィットなのは 15-45mm の方だと思う。
Pentax のレンズをアダプターで使ってみようかとも考えたが、実際につけてみるとアダプターが長くて実に不細工な格好になる。
オートフォーカスも使えなくなるし、これは使えないなということで、滅多なことがない限り使うことはなさそうである。
X-T30 はズームレンズ、オートフォーカスで楽に撮るスタイルでいいやというのが今のところの使い方である。
つまり、ちょっと出かける際に常に持ち歩くスタイル、今カメラ持っていたらなという場面をなるべくなくすためのカメラ、そんな使い方をしていきたい。
GR は極限まで小さいので手に持ってないとしっくりこない感じがする。
言わば、ずっと臨戦体勢のまま歩くスタイルがあっている。
出かけることより撮ることが優先するストイックなカメラなのである。
そこで楽をしようとして、ポケットにカメラを収めたりすると、センサーにゴミがつくというしっぺ返しを喰らう。
X-T30 の場合、適度な重さと大きさがあるので、ポケットには入れられないし、旅行者スタイルがあっているかと思う。
それでも、望遠ズームをつけて首から下げるのは少し嵩張るなという感じもある。
操作性は、まだ慣れていないが、比較的使用しやすいように思う。
左上のダイヤルには連写とか動画とかの撮影モードを選ぶダイヤルがある。私の場合はほとんど 1 コマ撮影に固定したままだと思うので、このダイヤルにはロックが欲しかったかなと思う。
シャッタースピードと露出補正の専用ダイヤルがあるのは嬉しい。
絞り優先モードで使うことが多くなると思うが、シャッタースピードをオートの A に合わせて、露出補正ダイヤルを望みの位置に合わせれば良い。
シャッタースピード優先で撮りたいときは、シャッタースピードを望みの速さにダイヤルを合わせて、露出補正ダイヤルを望みの位置に合わせる。
つまり、ダイヤル操作だけでモードが決定できるようになっている。
右手の親指と人差し指で操作できる回転式レバー(コマンドダイヤル)があり、ここに機能を指定できるようになっている。
人差し指のコマンドダイヤルは絞り値かプログラムシフト時のシャッタースピードを指定できるが、プログラムシフトはあまり使用しないので絞り値を割り当てた。
気になるのは、この回転式レバーが私が所有している GR で陥没させたタイプのレバーと似ていることである。
つまり、押し込むことによって機能を切り替えられるタイプのボタンも兼ねているのだが、強く押し込むと陥没するかもしれないので注意して使用することにする。
人差し指のコマンドダイヤルは、押し込んで機能を切り変えることで、他に二つの機能を割り当てられる。
機能をなしにすることもできるが、露出補正のダイヤルを C に合わせた時に露出補正を ±5 まで設定できる機能、プログラムシフト使用時のシャッタースピードを割り当てておいた。ほとんど使用しないと思うが。
親指のコマンドダイヤルには ISO 感度を割り当てた。
マニュアル撮影についてだが、これはどうもレンズ自体に絞り設定の指定できるタイプでしか使用できないようである(絞りリングも必要ということだろうか?)。
今持っているズームレンズには、この切り替え機構がないようなので、マニュアル撮影はできないということになりそうである。
中級者向けの機械なので、人物·風景などのシーン別の設定は無くてもよいと思うが、オートモード切り替えレバーで AUTO にした後に親指のコマンドダイヤルでシーンを選択できるようになっている。この機能もほぼ使用しないだろう。
トリミングしてみると、GR 同様よく写っている。
基本的な操作はこんなところだろうか。重要な機能にフィルムシミュレーションがあるが、これをどうやって変更するかである。
親指の付け根あたりに Q と表示されたボタン(クイックメニューボタン)があり、これが出っぱっているために誤って押しやすいのだが、ここから保存した設定を読み出すことができる。
よく使う設定を 7 つまで保存でき、通常は Base C1 という 1 つ目の設定が読み込まれる。使い慣れてきたら一番よく使う設定を C1 に設定すべきだろう。
今回は「Velvia/ビビッド」というフィルムシミュレーションを使用した。
色が濃いが、Pentax のカスタムイメージで言うところの「リバーサルフィルム」が近いのではないかと思う。
撮影の設定では、ハイライトトーン·シャドウトーン·カラー·シャープネスなども微調整できるようになっているので、画像編集でやることが毎回決まっているのならば、あらかじめ調整して保存しておくと時間の短縮になりそうである。
Raw データについては、FUJIFILM のカメラについては使用しない方が時間的には効率的かな、という感じがする。
FUJIFILM が無料配布している専用ソフトで Raw 現像する場合には、Raw でもサイズが圧縮された保存方式が存在するのだが、専用ソフトの動作が遅いのと、慣れが大きいのだと思うが使いずらい。
Lightroom 4 で読み込むには Adobe DNG Converter というソフトで DNG に変換すればよいのだが、この変換後の Raw データにはフィルムシミュレーションの情報が反映されていないようである。
FUJIFILM の専用ソフト(RAW FILE CONVERTER EX 3.0 powered by SILKYPIX)で Raw データを開いた時にはフィルムシミュレーションの情報が反映されている。
Pentax の Raw データは Adobe Lightroom 4 で読み込んでも Pentax の基本の色が反映されているので、現像前の処理は露光の微調整ぐらいしかすることがなく非常に効率的である。
一方で、FUJIFILM の Raw データを Adobe Lightroom 4 で読み込むと、かなりくすんだ色になっており、色作りを自分で一から調整する必要がありそうである。
やったことがないのだが、プリセットみたいなものを自分で作って Lightroom に保存しておけば良いのかもしれない。
憶測なのだが、FUJIFILM の Raw データはフィルムシミュレーションのような変換をしやすくするために、元の画像は素性の良い薄くてくすんだ加工しやすい絵になっているのかもしれない。
とは言っても、それは Pentax でも同じはずであるので、Pentax の場合は RAW データとして保存する前の段階で、Pentax のベースの色情報をのせて保存しているのかもしれない。
FUJIFILM のカメラで Raw 現像をする人が少ないのは、おそらくこの Raw データの性質によるものだと思われる。
それで効率が良さそうなのは、一番大きなサイズの JPEG を Adobe Lightroom で読み込んで、必要ならば露出の微調整を行う、ということである。
撮影時の露光設定がある程度適切にできていれば、JPEG だと言っても画像の劣化は見た感じではほとんど分からないと思う。
今回の画像もそのように処理している。
フィルムシミュレーションを変更したいという場合は、カメラ内 Raw 現像の機能があるようだから、保険として Raw データは保存しておいても良いかなと思う。
Raw データの非圧縮と圧縮の違いはまだ検討していないが、カメラ内 Raw 現像で済ませるのであれば圧縮でいいのではと想像する。
Adobe Lightroom で自分のプリセットを作ってやるというのであれば、非圧縮の方が良いのかもしれない。
Pentax のカメラにおいては、撮影前からハイライトやシャドウの露光とかカラーをいじるような設定方法はなかったはずである(後で確認したらこれは私の勘違いで、カスタムイメージの詳細設定ではフィルター効果·調色·キー·コントラスト·シャープネスが設定できる。あまり使っていなかったので認識していなかった)。
つまり、FUJIFILM は自分の撮影スタイルが固まっているのならば、それを撮影前から決めておいて望みの絵が初めから得られるようにするスタイルだと言える。
その思想から、必然的に Raw 現像はしなくてよいように設定を保存しておくのが FUJIFILM のカメラの正しい使い方だと思う。
画像編集の時間はできるだけ少ない方が良いので、当然短くなるに越したことはないのだが、私自身は撮って出し画像にこだわる理由はないと思っている。
なぜならば、露出というのはカメラでは大まかな設定しかできないし、私の場合、画面を見ながら露光の微調整をしたい、という事情がある。
私の設定技術がまだ未熟というのももちろんあるが、大まかに設定を追い込めるのであれば、撮影時には時間をかけずに後で編集したほうが効率的な技術レベルもあると思うのである。
編集レベルの露出設定を光の加減だけで撮り直しなく実現する人がいたらそれは職人芸と言えるかもしれないが、望みの露出をドンピシャで実現するのは一般的には困難で、だからこそカメラの設定があえて大まかな設定になっているといえる(もっと細かい設定ができるカメラももしかしたら存在するのかもしれない)。
露光が意図どおりで、それを見て良いと思えば、撮って出しで良いというだけの話で、被写体にもよると思うが、少し調整する必要があればすれば良いと思うのである。
大まかに露光があっていれば、画像の調整は 1 枚あたり 5 秒くらいで済むことが多い。
ただ、その 5 秒が 600 枚となれば 1 時間くらいになるわけで、その時間と手間をかけるかどうかは、各人の好みと思想の問題だと思う。
編集の必要なレベルというのもレンズの性能で決まってしまうというのが現実ではないだろうか。
実際、自分で撮った写真を、高性能な高価なレンズと相対的に性能の低い安価なレンズで比べてみるとと、高価なレンズで撮った写真の方が編集の必要はないと判断することが明らかに多い。
何か魅力のある絵というのは少しくらい不備があってもこのままで良いのではないか、という心理が働くのかもしれない。
高価なレンズで撮った写真にはそもそも不備を見つけることが難しい。
まだ、あまり撮っていないので、結論づけるのにはまだ早いが、このズームレンズは値段の割には結構よく写っているのではないかと思う。
フォーカスが合っているかの見極めが難しいこともあるが、使っていくうちにコツが掴めるかもしれない。
Pentax K-3 III も使い初めの頃は、カメラの癖に慣れていなかったのか、なんとなくうまく撮れなかったような気がする。
何が変わったのかよく分からないのだが、今ではうまく撮れるようになってきて、K-3 III でも K-1 とあまり変わらないのではと思ったりすることがある(価格は K-3 III の方がむしろ高かったのだが)。
今の私が X-T30 で撮った絵のレベルは、私が K-3 III で撮った絵のレベルには質的にまだ及んでいないと思う。
センサー的には同じくらいのポテンシャルを持っているはずなので、ミラーレス機の操作性でどこまでレベルを上げられるか楽しみである。
他人から見たら、カメラが違ってもほとんど同じではないかと思われるかもしれない。
しかし、撮っている本人からすると違うなと感じるのである。
それは Raw データを拡大しないと分からない部分かもしれない。
あるいは色合いがそう感じさせるのだろうか。
Velvia は綺麗であるが、少々作為的な感じがする。
最近は Pentax K-3 III で自分の目が見たままを再現する方が好ましいと感じているのだが、この Velvia の色合いは 10 数年前の写真を始めた頃の自分が好きだった色かもしれない。
これまで Raw 現像にこだわってきたが、露出の設定も感覚的に大体分かってきたので、Pentax でも カスタムイメージで保存した JPEG ベースで画像編集するのも面白いかもしれない。
最近、Pentax はカスタムイメージを定期的に新しいものを増やしたりしてきているので、遊ぼうと思えばいろいろと遊べそうである。
ミラーレスの X-T30 は時間のない日常使い、Pentax はじっくり撮りたい時と棲み分けはできそうである。
実を言うと、K-3 III ばかり持ち出して、K-1 の出動頻度が激減している。
重量が重いのと、ファイルサイズが大きいのが主な原因だろう。
K-3 III は最近実験的な撮り方をしているせいか、撮影枚数が激増している。
数うちゃ当たる方式で撮る対象が増えたせいかもしれない。
編集というよりは選別作業に時間がかかっている。
通常の撮影対象はミスショットは減っているはずなのに、撮影枚数は増加している。