今まで撮ってきた写真を見直していたら、
5 年前の年末は屋久島に行っていた。
広島に行く用事があったので、突然思い立ってバタバタと計画を立てた。
とにかく下調べする時間があまりなかったので、私には珍しく、
登山のツアーのようなものに初めて参加してみる事にした。
それまでの私は車の一人旅ばかりだったので、どうかなと思っていたが、
良い面もあったものの、結論としてはやはり私には合わないと思った。
私にとって、旅の最も重要な点は、自由度である。
写真を撮りたいと思った時、一人であれば 1 分かけて撮りたいところを、
団体行動では 数秒しか掛けられない。この差は僅かなようでかなり大きい。
屋久島というのは元々は林業の島だったそうなのだが、
屋久杉を切れなくなって以来、観光の島になってしまったという。
島に降り立って、宿に車で案内してくれる人が
「リピーターが多いんですよ」なんて言ってくるのも、
なんだかなあという感じではあった。
山登りのガイドさんは中年のおじさんで良い人だったが、
毎日のように日がまだ昇らない時間帯から登山し続ける生活というのは、
なかなか体に堪えるだろう。
比較的暖かいといっても、やはり 12 月の終わりである。
木々の緑はくすんでいて、瑞々しさがあまり感じられない。
だから、上の写真は若干 Photoshop で彩度を上げている。
登山道は、むかし木を切って運ぶのに使っていたトロッコの線路の上を歩いていく。
ガイドさんは、歩きながら道端の植物とか、島の歴史、杉に関することなどを
いろいろと教えてくれて、これは一人の旅では得難い良い面ではあった。
道を進んでいくと、やがて気温が下がってきて、レンズが曇ってしまった。
ここまでの環境というのは、さすがに経験したことがなくて、
仮にいきなり一人で来ていたらハードだったかもしれない。
同伴していたツアー客の人達は、私の他に 4, 5 人いて、
私よりも上の世代の人達であった。
ちょいワルオヤジといった感じの 50-60 代くらいの男性、
60-70 代くらいの男性、40-50 代くらいの二人組みの男性、
だったように思う。
ちょいワルオヤジの方は時々暴走してはぐれそうになったりすることがあり、
とっつきにくいものの、話してみると個性的で憎めないところがある。
こういう場所に来る時はカイロを準備しておいて、
レンズにつけて温めると曇りが取れて良いという話を教えてくれた。
一番年上に見える男性は、柔らかい雰囲気の紳士で、
毎日体を鍛えているという。実際、他の 3 人よりも足腰は強そうであった。
この二人は純粋にこの旅を楽しんでいる様子で好感が持てた。
二人組みの中年男性とは ... 、特に話すことはなかった。
ガイドさんの話では、
この森で宮崎駿が『もののけ姫』のインスピレーションを得ていたという。
「どうです、祟り神になったイノシシに見えてくるでしょう。」
上の写真が、記憶に残っている実際に見た時の色に近い。
行く前に期待していたのは下のような感じで、
こちらは Photoshop で彩度を上げている。
次の日は、レンタカーを借りて島を回った。
島を車で回れたのは良かったのだが、車を返却するときに、
どこかで石でも跳ね上げでもしたのか傷が付いていた。
それで賠償金を支払う羽目になった。
移動も含めお金を使った割には、マイナスポイントが何点かあったので、
満足感が足りない旅だと思ってしまった。
運気のめぐりが悪かったのかもしれない。
この旅では 15mm の広角レンズで撮っていたが、森の中は暗い上に、
開放 F 4.0 のレンズではやはり厳しいものがある。
ブレた写真を量産してしまった。
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- メディア: Camera