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写真を中心に、ほとばしってるものを。

滋賀(2022. Nov.)食について

学生の頃に親戚の家などに行った時にされる定番の質問に「料理はするの?」とか「自炊しているの?」というのがあるが、どう答えたものかと毎度少し考えてしまう。その質問に限らず、そのような場で質問されるようなことは、たいていの場合、答えに窮することが多い。ただ単に場を持たす程度の質問であるし、適当に答えておけばいいのだが、そのような性質の質問であるが故に、どう答えるのが無難だろうか、などと考えてしまうのである。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:2.8 35mm Macro Limited

そもそも料理と呼んでいいのはどの程度のことからか、というのがある。料理に費やせる時間は限られているので、凝ったことはできない。かといって、あまり不味いものは食べたくない、というのがあるので、さっと作れるものしか作らない。若い頃はカップ麺や袋麺などもたまに食べていたけれど、今では腹の調子がすぐに悪くなるので、ラーメンを作るときは生麺タイプしか選択肢がなくなった。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:4 15mm ED AL Limited

学生の頃はほとんどが、パスタとかラーメンを茹でる、それに入れる野菜を切る、くらいの事がほとんどだったと思う。そうなると、果たして料理をしていると言えるのだろうか、としばし考えてしまうのである。他には、魚を焼く、肉を焼く、炊飯器で飯を炊く、これでほぼ全てである。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:4 15mm ED AL Limited

今改めて考えてみると、当時やっていたことは「自炊をしている」とは言ってよくても、「料理をしている」とは言えないかなと思う。学生の頃はあまり、味覚が発達していなかったので、「料理」の意味するところすらよく分かっていなかったのである。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:4 15mm ED AL Limited

その後、ラーメンを作るにしても「料理をしている」と言っても良いのではと思い始めた頃がある。何が変わったかと言えば、ラーメンを茹でた湯とスープの湯を別々に準備するようになったのである。それまではラーメンを茹でた湯を使ってそのままスープの湯に代用していた訳だが、今となってはよくそんなことをしていたなと思う。あるいは刺身を買ってきて、ちゃんと皿に盛り付ける、といった事である。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:4 15mm ED AL Limited

要するに、手元にある食材を出来るだけ美味しく食べるための工夫や一手間をかけることを惜しまず、自分好みの味付けを追求する、というのが「料理をする」という事なのだな、と自分の中で腑に落ちたのである。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:2.8 35mm Macro Limited

食材の良し悪しというのは美味しさに直接的に関わってくる。一方で、食材が良くても、料理の仕方でその良さを台無しにしてしまう。「食べ物で何が好き?」という質問もなかなか難しい。あまり好き嫌いが無いのだろうか、とりわけこれには目が無いというほどのものがないような気がする。いくら好きだとしても、まずく料理されたものは全く食べれないし、苦手と思っていたものがうまく料理されたものに出会うと好きに変わってしまうこともある。上手く料理されたものは何でも、ということになるのだが、完全に雑食な性格である。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:2.8 35mm Macro Limited

雑食とは言っても、不味いものに関しては敏感なようで、外食は苦手である。チェーン店のレストランなどに行こうものなら、確実に腹を下してしまう。食べているときは平気でも、体が受け付けないようなのである。スーパーの惣菜もダメである。これはそもそも口が受け付けない。牛丼などのファーストフードは、なぜか割と平気である。具が少ないからだろうか?

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:2.8 35mm Macro Limited

人によって料理屋に求めるものも様々だと思うが、私の場合、ある種の感動を期待して店を探してしまう。ウェブサイトで探すのはあまり好きではない。せいぜいマップで店がどこら辺に集まっていそうかくらいだけ参考にして、歩きながら実際に見て直感で決める。美味い店に当たった時はなんとも言えない嬉しさがある。ごく普通の味の店に当たった時は少しガッカリして二度目はないかなと思いながら店を出る。不味い店に当たった場合、これは自分だけで探している場合はほとんどないが、人と出かけて適当に入った場合に高確率で当たってしまう。探し方が足りないのである。人と行っているのであれば料理自体のことはそれほど気にしないことにしているが、心の中では食べながら少し不機嫌になっている。自分で熟慮の末に選んだ店がまずかった場合、自分の浅はかさを呪いながら心の中で怒り狂っている。感情の振れ幅が大きくなりすぎるのが嫌なので、旅行に行った時には外食をするが、日常的には外食するのが嫌いである。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:2.8 35mm Macro Limited

一方で家で何を食べるかといえば、卵かけご飯、とろろかけご飯、大根おろしかけご飯、納豆ご飯のようなもので済ませることも多いし、実際同じようなものを毎日食べているが飽きることはない。シンプルで自分に合ったものは何も違和感が無いということなのだろうか。基本的に素材そのままとか、焼くだけとか、シンプルな調理方法が好きである。私が好きな食材は「米」なのかもしれないが、間違いなく「好きな食べ物は?」という質問に対する理想的な答えではないだろう。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:2.8 35mm Macro Limited

料理とはつまり、「切る」·「焼く」·「煮る」·「茹でる」·「味をつける」などのそれぞれの調理方法を食材の特性に合わせて適切に施せばとても美味しく食べる事ができるのだろうが、この加減がなかなか難しいものである。何度もやって上手くなってくることもあるが、なかなかそこまで到達するのは難しいことである。やはり先人の知恵をまずは参考にして、そこから微調整するのが良さそうである。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:2.8 35mm Macro Limited

ゆで卵を一年くらい作り続けて、殻がツルッと剥けるやり方をついに自分では見つけられなかった。ネットで検索すると、まず針で穴を開けてから沸騰した湯に入れると良いそうで、それは思い付かないなと思った。原理を考えればなるほどと思うが、なかなか針で穴を開けてみようとは思わない気がする。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: HD PENTAX-DA 1:4 15mm ED AL Limited

自分で作れる料理のレパートリーを少しずつ増やしたいと思っている。