"photobashiru" ...

写真を中心に、ほとばしってるものを。

珈琲 焙煎(ブラジル サントス)

週一で 100 g の珈琲生豆を焙煎するようになって半年ほど経った。
「煎りたてハマ珈琲」の濱さんが youtube で推奨している片手鍋焙煎である。
この方法は、カセットコンロと蓋付きの片手鍋を使用するのがポイントである。
カセットコンロで火力を、蓋の開閉で蒸気をどれくらい逃がすかを、自由に調節できる。
フライパンではなく鍋を使用するのは、よく混ぜられるようにするためで、
定期的に鍋を振って豆をまぜ続けることによって煎りむらが生じにくくなる。
私はアルミ製の雪平鍋と大きさの合った強化ガラス製の蓋を使用している。
ガラスの蓋は中の様子が見て分かるので良い。
この鍋はコーヒー焙煎だけに使用し一度も洗っていないので、
鍋の内壁はいい感じの茶色に色づいてきた。
いつの間にか自分なりの焙煎方法が決まってきて、
100 g から始めて目的とする最終の重量が、
火力·時間·豆の様子などから判断できるようになってきた。
焙煎を始めたばかりの頃は youtube で濱さんの動画を何度か見たはずなのだが、
私の記憶力というのはそれ程正確ではないらしい。
改めて見返してみると、焙煎中の手順やタイミングなどが、
今の自分のやり方とは結構違うことに気づいた。
しかし、今の自分のやり方でもとりあえずは美味いと感じる焙煎はできているし、
今の方法でいろいろな豆の焙煎度の違いを試してから、
焙煎方法のスクリーニングに移行する予定でいる。

私が最初に取り組んだのは、ブラジル サントス 2,000 kg の生豆(¥2,000)である。
これは大変安い豆だが、うまく焙煎すれば、甘みがあって繊細な美味さが味わえる。
私はほとんどの場合、 100 g の生豆から焙煎を始めることにしている。
鍋で一度に焙煎できる生豆の量は 200 g くらいが限度かもしれない。
一度このスケールでやったが、豆の量が多い分、
100 g スケールの時と同じ火力では時間が長くかかった。
スケールが変わると、混ぜ具合·火力·時間などの適切な条件が変わってしまうのである。
器具に合わせてやりやすいスケールというものがあり、
片手鍋であれば 100-150 g くらいが丁度良いのかもしれない。
豆から水分がどれくらい飛んだのかというのが、焙煎の進行度の一つの目安になる。
この豆の焙煎度で私が好きなのは浅煎りで、
そのベストは 100 g から始めて 86 g 程度で終了するくらいの時である。
珈琲を淹れてから数分後、ほわっと甘い芳香が感じられ、ヌルヌルとした酸味が出てくる。
始めを 100 g にしておけば 14% の水分が飛んだというのがすぐ分かるので都合が良い。

焙煎開始からしばらくは鍋の中の温度がまだ低いので蓋が蒸気で曇ってくる。
鍋の温度が上がってくると、蓋の水滴が飛んで曇りが取れ、
豆の色が緑色から茶色っぽく変わってくる。
豆から出てくる蒸気の匂いも焙煎時の目安のひとつである。
始めは甘いような良い香りだが、やがて油っぽい香りに変わってくる。
香りが油っぽくなってからしばらくすると、パチパチと豆が爆ぜ始める。
これが一爆ぜと呼ばれるもので、一爆ぜが収まった後さらに焙煎を続けると、
先ほどとは少し異なる爆ぜ方でビチビチと二爆ぜが起きる。
一爆ぜの間で焙煎をやめれば浅煎り、その後の焙煎の深さで中煎り·深煎りとなっていく。
焙煎後はふるいに移した豆をベランダでうちわで扇いで熱を逃がし、
チャフ(珈琲豆の薄皮)も同時に吹き飛ばしてしまう。
それから、豆の重さを測り、Cellarmate の 0.5 L のガラス密封容器に入れ、
すぐに冷蔵庫に保管する。
常温で保管するよりは、冷蔵にした方がより鮮度が保たれて良い気がする。
豆の種類によっても異なるが、焙煎直後というのは少し荒々しい味わいで、
冷蔵庫内で 1 日くらい経過した頃から落ち着いた味わいになる。
この良い状態は 1 週間くらいは持続するが、それ以降は徐々に味わいが落ちていってしまう。
その意味でも、100 g スケールの焙煎で 1 日に 1-2 杯の珈琲を淹れ、
丁度一週間以内に消費し切る、というのが一人用の目安としては適当である。
焙煎後の重量を 86 g から徐々に減らし、80 g 前半までもっていくと、
中煎りから深煎りになっていき、苦味が出てくるようになる。
苦味にも好ましいと感じる苦味と炭のような好ましくない苦味があり、
82 g くらいならば良い苦味が出るし甘さも少し感じられる。
80 g をきると、炭っぽい苦味が出ることがある。

焙煎後の重量·豆の色·焙煎時間というのは焙煎の度合いを判断する目安ではあるが、
焙煎のやり方によって味わいは大きく変わってしまうので、絶対的なものではない。
私の焙煎方法で行った場合に意味のある目安であって、
人が変わって方法が変われば当然全く別の味わいとなる可能性がある。
ブラジル サントスは 20 回くらい焙煎経験を積んだことになる。
次のステップとして、異なる産地の豆の焙煎を始めている。