最近、開口健をよく読んでいる。小説も幾つか読んだが、
随筆のようなものもたくさん書いておられて、
こちらはあまり時間が取れないときでも読み切ることができるから、
そういった短い文章を多く読んでいる。
そんな中、開口健記念館というのが茅ヶ崎にあるのを知って、
ぜひ行ってみたいと思った。茅ヶ崎というと、なんだか楽しそうだとか、
景色が良さそうとか、元気がありそうとか、そんなイメージを漠然と持っていたが、
今まで訪れたことがなかった。
茅ヶ崎に着いてみると、住宅の庭に南国風の木が植えてあったり、
家にボートとかサーフィンが置いてあるのが目に付く。
なかなか良い雰囲気だなと思いながら歩いていたら、
中年くらいのおじさんが自転車にサーフィンを積んで漕いで行くところを見た。
この日は寝坊してしまい、すでに閉館間際だったのだが、
カメラも持ってきているし、海が見たいという衝動を抑えきれなかった。
開口健記念館をひとまず素通りし、海岸に出た。
あまり天気は良くないが、サーフィンをやっている人はたくさんいる。
家からすぐに来れる、なんて幸せな人たちだろう。
曇りでも、雲間から光が差し込んだり、これはこれでなかなか良い。
風が強く、砂が舞い上がっていた。
少し歩かずにはいられない。
少し気分が落ち着いたので、引き返して開口健記念館へ向かった。
入口に近づいていくと、どうも係りの人が帰るところらしくて、
玄関に鍵をかけているところだった。
間が悪かったなと思いながら、意味もなく少しウロウロしてしまったが、
諦めてまた海に向かった。
海というのは、たまに見たくなるのは何故なのか分からないが、
波の音を聞きながら何も考えずにぼーっと見ているだけで、
妙に心が落ち着いてくる。
不意に、太陽が雲の間から現れて、波を黄金色に照らした。
あまりに美しかったので、つい見とれてしまい、写真を撮るのも忘れていた。
一通り撮ったので、カバンにしまっていたのである。
ほんの 30 秒ほどの出来事だった。カメラを再び取り出した時には後の祭りで、
二度と光が差すことはなかった。後になってものすごく後悔した。
夕暮れ時というのは、光が刻一刻と変化していくので、いつ見ても良いものだが、
海で、今日のような曇り空の中でさした夕暮れ時の光に出会う機会というのは、
今後どれだけあるのだろうかと思ったりした。
当初の目的も果たせず、幸運に出会いながらそれを逃したような微妙な気分だが、
あの景色に出会えただけでも来た甲斐があったというものだろう。
あの風景に再び出会えることを期待しながら、今後度々訪れることになるだろう。
PENTAX リミテッドレンズ 広角~標準単焦点レンズ FA31mmF1.8AL Limited ブラック Kマウント フルサイズ・APS-Cサイズ 20290
- 出版社/メーカー: ペンタックス
- メディア: エレクトロニクス
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
ついに、FA limited シリーズをコンプリートしてしまった。
今日が初めてだったので、まだ実力は分からないが、
K-1 で撮るとトリミングしても問題ないのがすごい。