7 月の初め、珍しく雷が激しく鳴っている時があった。
子供の頃から、雷が鳴り出すと、何だか心が躍るような感じがあった。
夕暮れ時に、小学校の窓の外が緑色になって、激しく雷が鳴っていた時があったのを今でも覚えている。
そんな非日常的な雰囲気が気分を高揚させていたようである。
この日は日がすっかり落ちてから雷が鳴り出して、ちょうど帰宅してから激しく鳴りはじめた。
そんな訳で絶好の撮影チャンスとばかりに、カメラを準備してベランダへ出た。
雷を撮るのは初めてである。もしかすると、試みたことはあったかもしれないが、長い間ずっと続くような天候にはなかなかお目にかかれるものではない。
初めは K-1 を三脚に固定して撮ろうと試したが、稲妻が走る位置を予想することが困難であるのと、K-1 の連写性能では遅すぎて、空全体が明るく写りはするものの、稲妻を捉えることはほとんどできなかった。
そのため、K-3 III を手持ちで連写撮影する手法に切り替えて、ランダムに撮影をしていくようにしたところ、数うちゃ当たるの原理で、少しずつ、稲妻を捉えることができ始めた。
これまで、連写機能はほとんど使用したことがなかった。
撮影対象によっては役に立つことがあるのだなと、進歩した連写性能の K-3 III に感謝した。
というか、K-1 の連写は遅すぎだろう。
思うに、フルサイズで画像サイズがでかいがために、処理が遅くなっているのだろうか。
カシャ、カシャー、と 1 秒に一枚しか撮れていないのではないかという遅さ。
もはや連写ではない。
あるいはしばらく使っていなかったので、何か不具合でも生じたのではなかろうかと心配になる。
今後、連写が必要な場面となれば、K-3 III 一択になるだろう。
ピントについてはあまり気にしていなかったので、何となく背景はピンボケしている。
シャッタースピードは 1/200 から 1/500 くらい、絞りは開放。
ISO は 6400 から 12800 まで上げている。
最初の 2 枚だけは K-1 で偶然に撮れたものであったが、見た目はモノクロ変換したせいもあるのか、こちらの方が綺麗な気もする。
勝率は K-3 III の方が断然上だと思うが、何だかノイズとか色が少し気になるところがある。
よっぽど激しく放電している時は、光ってから反応するのでも間に合う時もあるかもしれないが、普通はそれでは間に合わないことが多い。
すんと静まり返ったかと思うと、急にピカっとくるので、ある程度感を働かせて、無駄打ち覚悟で連写するしかなかった。
シャッタースピードは改善の余地がもしかしたらあるかもしれないが、今回は実験的に少しでも写すことができたので満足である。
たぶん、2 時間くらいは撮影していたと思うが、久しぶりに集中して、花火を楽しむように良い時間を過ごせたと思う。