"photobashiru" ...

写真を中心に、ほとばしってるものを。

カメラを選ぶ基準

初めてカメラを買うとき、私もそうであったが、
何を基準に選ぶかというのは、よく分からないと思う。
ある程度経験を積んで分かるかというと、そうでもない。
むしろ、すべての種類のカメラを使い比べてみたくなるから困る。
出てくる絵の質に関して言えば、
どのデジタル一眼カメラも似たようなものだろうし、
少しくらい古い機種だとしてもそれほど大きな違いはないと思う。
カメラ自体の大きさや使いやすさ、特定の機能、など
人によって優先事項は異なるだろうが、私にとっては、
「使いたいレンズがあること」と「そのカメラが持つ魅力」
が基準となるだろうか。

私は、これまで Pentax の一眼をずっと使ってきた。
(K-r から始まり K-5, K-1
きっかけは、単に「身近に Pentax を使っている人がいたから」である。
使っていると、良い面も悪い面もある。恐らく、すべてのカメラがそうだ。
「使いたいレンズがあること」に関して、
Pentax はフルサイズ用レンズのラインナップが
他の機種に比べれば少ないかもしれない。
(もちろん、マウントにはまるという意味でオールドレンズまで含めれば、
 たくさんあるのだろうけれど。)
一方で、 FA Limited 31 mm, 43 mm, 77 mm という
人気の高いレンズもある。
APS-C 用のレンズも何本か購入したが、今になって思えば、
私的には FA Limited 3 本と Macro レンズがあれば十分だったかもしれない。
(他の画角が使いたくなったら、他のカメラを買うかもしれない。)
「そのカメラが持つ魅力」に関しては、
Pentax は技術に対するこだわりが強いところだろうか。
例えば、ローパスフィルターを除くための技術とか、
リアルレゾルーションシステムを手持ちで可能にする技術とか、
発想の奇抜さ、それを実現してしまう技術力、
そういったものを見せつけられると、どうしても使ってみたくなるものである。

ローパスフィルターレスの功罪 - DEJA VU ~いつか見た光景~

リアル・レゾリューション・システムII / PENTAX K-1 Mark II / デジタルカメラ / 製品 | RICOH IMAGING


K-r は最終的に 5,000 枚位は撮ったが、
すぐに当時評判の良かった上位機種の K-5 を使いたくなり、
Limited Silver の K-5 に変えた。 
K-r は入門機という位置付けだが、
出てくる絵の質的には K-5 と比べてもほとんど変わらなかったように思う。
K-5 の方が優れている点としては、
カメラに慣れた人にとっては機能的に使いやすいことと、
防塵防滴構造であることだろうか。
K-r は防塵構造でないためか、撮像素子にゴミがつきやすく、
後で絵を見てみると黒いゴミの影があるという点はしばしば気になった。
(K-r のダストリムーバル機能は貧弱で、ほとんどゴミは取れなかった。)

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

出てくる絵の雰囲気はカメラが変わると若干違うことがある。
メジャーなカメラの撮像素子は同じようなものなので、
デフォルトのホワイトバランスの設定とか画像の処理が多少違うのが
影響しているのではないかと思う。
メーカーによって絵作りの個性が違うのは当然だと思うが、
同じ Pentax でも K-r は素直な絵が出てくるのに対して、
K-5 は少し個性的であるように思う。
(見た目より色が濃く出る印象で、特に室内で K-5 を使うと扱いにくい。)
Raw 現像をする人にとっては、
カラーバランスは Photoshop で後から変えられるので、
カメラごとの個性というのは実はあまり関係ない。
むしろ、個性が強いと修正するのが大変になるので、却って面倒である。
カラーバランスを変えるようなフィルター機能
ペンタックスの場合は「ほのか · 人物 · 風景」など)は、
最近ではほとんどのカメラについているが、
個人的にはあまり重要なものではない。
Raw には反映されないので、
使いたい時は jpeg も合わせて保存する必要があり、
これが面倒なので今までほとんど使ったことがない。
Pentax の場合はカメラ内で Raw 現像することで、
この機能を使った絵を新たに保存し直すことができる。
要するにこの機能は画像のパラメータを工夫しているだけの話なので、
Photoshop で頑張れば自分でも作れるはずであるし、
初めから Photoshop に機能として入れてもらえたら
それで済むはずなのである。
ただ、富士フィルムのフィルムシミュレーションのように、
カメラの個性として売りの一つになっている場合もあるので、
なかなかそうはならないのだろう。

出てくる絵の質に関しては、同じカメラであっても、
撮り方 · 光の使い方(環境)によって大分違いが出てくるので、
カメラの数値上の性能というのは、実はそれほど重要ではない。
例えば、絵の解像感は、手持ちで撮った場合と三脚を使って撮った場合では、
明らかに三脚を使ったほうが高くなるだろう。

最近のフルサイズミラーレス一眼の流れで、
Sigma fp というカメラが気になっている。Sony の α シリーズも気になる。
しかし、なかなか金銭的な余裕がない。
そうこうしているうちに、
Pentax の新たな APS-C フラッグシップモデルの情報が出てきた。
フルサイズ K-1 の重さもピークデザインのハンドクリップのおかげで、
気にならなくなったし、もう K-1 だけでいいかなと思っていた。
一方で、たまに K-5 を触ると、こんなに小さかったんだと驚く。
そんな訳で、新たな APS-C 機はやはり気になる。
山を登りながらの場合、重たい K-1 ではきついので、
APS-C の方が良いと思うことは確かにあった。
自分はファインダーを覗きながら撮るスタイルが好きで、
それが Pentax のものづくりの方向性とマッチしているのだと思う。
Pentax は、きっとフルサイズミラーレス機を出すことはないだろう。
私がフルサイズミラーレス一眼を手にする日は、
(あるとしても)しばらく先のことになりそうである。