"photobashiru" ...

写真を中心に、ほとばしってるものを。

『100 mm MACRO』 – No. 2 –(2012)

私が生まれたのは東京で幼稚園の途中までは住んでいたのだが、
ほとんど記憶がない。その後、千葉に引っ越した。
幼稚園が同じで家が近かった友人に初めて会った時のことは、
今でも鮮明に覚えている。
その時彼が見せてくれたのは、使い古され、土で真っ黒になった虫かごであった。
実際には、真っ黒すぎて中はほとんど見えなかったのだが、
カナヘビか何かが入っている、という話だった。
それまでの自分が全く知らない世界がそこにはあった。
これがきっかけだったのか、元々興味があったのかはよく覚えていないが、
初めて飼ったのはカタツムリだったと思う。
幼稚園の頃はその人と一緒に虫採りばかりしていた。
小学校に上がってからは、
その人とはクラスが変わって一緒に虫採りはしなくなったけれども、
別の友人と沼にズボンのまま入って真っ黒になりながらヤゴを捕まえたり、
虫採りばかりではないものの、外で遊ぶことが多かったし、
私はその方が好きだった。
一方で、インドア派なのか、テレビゲームで遊ぶのが好きな友人も少なからずいて、
たまに遊びに誘われるのだが、気分が乗らない時は
「ちょっと今日は用事があって... 」などと断っていたことが結構あって、
今思い返しても自分はずいぶんマイペースな性格だったのだなと思う。
そんな風に誘いを断っておいて、
庭で石の裏をひっくり返したり、倉庫の裏でヤモリを探したり、
一人で楽しんでいたのである。
その頃の癖が今でも抜けないのか、外を出歩いている時は気がつけば、
小さな生き物とか草花を探しながら歩いている。
私が最も繰り返し読んだ本は、間違いなく、
『むし くらしとかいかた』と『ちいさないきもの くらしとかいかた』
の二冊である。これらの本ほどボロボロになっている本を私は持っていない。
小さい頃に好きだったものは、大人になっても変わらないらしい。
今でもマクロレンズで昆虫や花などの写真を撮るのが好きなのは、
小さい頃にしていたそういった生活の延長線上にあるからなのだろう。

最近若い人と話すと、昆虫が苦手という人が多いのには少し驚いている。
蜘蛛とか蛾が嫌いというならまだ分かるが、カブトムシやクワガタも
嫌いというのは私からすると理解しがたい。
小さい頃に自然と触れ合う機会自体が減っているのだろうか。

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-r, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

以上は K-r、以下は K-5 で撮影。

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

マクロ撮影の性質上、
背景 · 光の取り入れ方 · 被写界深度 · 露光時間 · 手ぶれ · 被写体ぶれ、など
色々なことを考える必要がある。

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

外で撮影している時に厄介なのが風である。
普段はあまり意識することがないが、
草なんてものは四六時中ゆらゆら揺れているもので、
風が収まるのを待ったり、あるいは揺れる草と同期してこちらも揺れてみたり、
と色々と思いつきを試しながらの撮影はとても楽しいものである。

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

昆虫は移動する時と休んでいる時があるので、
昆虫が警戒を解いて逃げなくなるまで追いかけ回したり、
また、昆虫が止まっている時間も永遠ではないので、撮影条件を整え、
無風状態になったところへ、ピントを望む位置に合わせて撮る。
このタイミングを逃さないというのは、結構難しいものである。

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-D FA MACRO 100mm F2.8 WR

どうせ風ですぐに距離が変わるため、オートフォーカスは無意味で、
マニュアルフォーカスが基本である。
フォーカスリングはカメラと対象までの距離を大まかに最初に決めるのに使うだけで、
最終的には体を動かして対象との間の距離を調整し、
目的の位置にピントが合った瞬間にシャッターを切るようにしている。
じっとしているようでも撮影者も意外と振動しているもので、
心臓の鼓動とかそれに伴う体の振動とか、
そんなもの全てを感じながらシャッターを切る機会を伺うというのは、
まるで真剣勝負のような感がある。

2012 年は、一枚一枚にかなりの時間をかけて、
今までで最も写真に向き合えた年だったと思う。
2014 – 2016 年はブランクというか、
ほとんど写真を撮る時間を作れなかった。
2017 年頃から徐々に写真を撮る時間が取れるようになってきたが、
2012 年ほどまでは没頭できていない。