(12年前の旅を振り返っている。北海道から本州に戻り2,3日目。)
旅の最中は、ただ前に進むことばかりを考えていて、
終わった後でもいろいろ回ったなと漠然な記憶が残っただけであったが、
改めて道筋を思い返してみれば割と複雑な経路を辿っていたものらしい。
車での移動距離もかなりのもので、
北海道内だけでも 3,000 km ほどは走ったようだ。
旅から帰った時に、ようやく車の運転にも慣れたなという実感が得られたものだ。
秋田県の天王を出発して、南下する。
市内でなら秋田小町に出会えるかなとの淡い期待もかなぐり捨てて、
ただひたすらに南下する。
潟上(かたがみ)市、秋田市、由利本荘(ゆりほんじょう)市と来て、
岩城という地名の少し南に、
地図上で「亀田; 秋田県に実はもう一つの小京都」という所がある。
亀田不動の滝は、なかなかに神々しい雰囲気のある滝であった。
亀田城、天鷺郷との碑が建っている。
12年前の時点ですでに廃墟の雰囲気が出ていた「天鷺遊園」、
今ではどうなっていることだろう。
ネット情報によると、1989年オープン、2008年で閉館とのことである。
街中に「小京都」らしい風景を探してみる。
亀田を出て、帰路につく。
秋田県と山形県の境界付近を走っていると、鳥海山が見えてきた。
山の頂に白い雪が残って、山容の美しい山である。
車で通りながら眺めることしかできなかったが、
いつか登ってみたい山である。
山形もやはり私の中では「夏休みに帰る田舎」のイメージが当てはまりそうだ。
ただ、山形への免許合宿で来た時のことが少し思い出される。
毎日、失敗しては怒られ、の繰り返しで、
人生で最も辛かった期間の一つであっただろう。
福島県の安達郡で休み、次の日あぶくま洞に寄った。
この旅の最後の訪問地である。