"photobashiru" ...

写真を中心に、ほとばしってるものを。

酒の楽しみ

 酒呑みの中には、呑みに行って騒ぐのが好きだという人もいれば、深酒をして酩酊感に浸るのが好きという人もいるようだ。私の場合は、そのどちらにも属さない。酒を呑んでも普段と比べてもそこまで大きく高揚感が増すわけでもなく、特に話したいことがあるわけでもなく、ただ黙り込んでいくようなタイプである。だが、酒自体は好きなのだろう。家には何十本という酒瓶がいつの間にか林立している。探求というほどのことでもないのだが、酒を呑むようになって 6 年ほど経っただろうか。

 自発的に酒を呑むようになったきっかけはシングルモルトウィスキーを知ったことだろう。夜な夜なグラスにハーフショットくらい注ぎ込んでは味を確かめ、という作業を淡々と、そして立て続けに 6 種類くらい試すこともあるが、大抵は 2, 3 杯で満足する。ウィスキーのような蒸留酒は呑んでも頭ははっきりと覚醒して、酩酊感が少ないのが良い。呑みなれた酒を一口一口味わうというのは日常の楽しみであるが、新しい瓶を開ける時というのはとりわけ楽しいものである。幾つか瓶が空いて、新しい酒を 3-4 本まとめて買い込み、これらを立て続けに抜栓し、試飲する。この時感じる期待感や、一喜一憂、これがたまらない。

 ある程度経験を積んで酒に慣れてきたのだろうか、以前より酒の味の違いがわかるようになってきたように思う。量をこなす、様々なグレードのものを試すというのが重要なことらしい。その後、リキュール等、カクテルのベースとなる酒、日本酒、焼酎、ワインと何でも飲むようになった。醸造酒は蒸留酒よりも顔が火照って酔いがまわったような感じになるので、私としては蒸留酒の方が好みだが、もう今日は何もしないという時は気持ち良いものである。日本酒ほどではないが、ワインもやはりぐでっとした感じになる。本を読んだり、文章を書くときは、蒸留酒の方が良い。しかし、美味いウィスキーは、香りを楽しむのに忙しく集中力がそちらに行ってしまうので、もっとシンプルなもの、ジン · ウォッカ · リキュールなどの方が良い。今のところは、ジンがちょうど良い気がする。ラム · コニャック · カルバドス、などにも触手を伸ばしつつある。何しろ酒は種類が豊富で、それぞれに深みがあるから、まだまだ楽しみは続きそうである。