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写真を中心に、ほとばしってるものを。

K-3 III -SNAP- (2023. Apr.) ある説の流布

4月になって急に暖かくなった。昨年の冬(ついこの前の3月までのことだが)は、結局エアコンの暖房なしで何とか乗り越える事ができた。もう意地のようなところがあったが、毎月の電気料金は大まかに5千円以内に抑えられたので、電球を新しい LED 電球に変えるのにかかった費用くらいは賄えただろう。

Camera: PENTAX K-3 III, Lens: smc PENTAX-DA☆ 1:1.4 55mm SDM

国から補助金が出ているのかよく知らないが、節電チャレンジなどと言って、昨年度よりも使用電力量が減ると、商品と交換できるポイントを進呈するキャンペーンをやっている。商品を見てみると、肉とかの食料品になっていて、なにやら抱き合わせ的な匂いのするやり方だなと感じる。品質がよければ別によいのですけどね。

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4月の中旬までは雨の日がちょくちょくあったりで少し寒い日もあったが、夜の気温はちょうどよく冬の布団では少し汗ばむくらいになってきた。

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比較的快適に数週間を過ごせたと思っていたら、何だか体が重く感じるようになってきた。肩の調子も比較的快適だったのだが、また痛みが再発したようである。

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そろそろかな、と内心ヒヤヒヤしていたのだが、どうやらカモガヤの花粉が今年も飛び始めたのかもしれない。

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この時季に寝不足が重なって酷いことになった経験が過去にあったので、よく注意しなければならない。

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花粉症が発症する仕組みに関する ”ある説” がネット上の情報が広がったのか、口コミなのかよく分からないが、多くの人の間に広まっている。要約すると、次のような説である。「花粉症が発症するまでの許容量は各人によって差があるが決まっていて、その量を超えた時に花粉症は発症し、一度発症すると治らない。例えるのならば、バケツの水が溢れるが如くである。」というものである。

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この説に関しては、私自身はずいぶん前からよく分からないなと思っているのだが、花粉症の発症に関わっているであろう免疫系の説明が全く欠如しているからだろう。

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この説の厄介なところは、例え話であると最初に「ことわり」を述べないところである。最後に例えをしているが、その前の説明がそもそも例え話であるのだから、例え話が入れ子状態になっていることになり、訳のわからない文章である。

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この例え話の文脈からすれば、体内にとり込んだ花粉の量を体がカウントしている、あるいは、蓄積されているかのような印象を受けるのだが、実際にはそのような機構は体内に存在しない。

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免疫系が体内にとり込まれた花粉を抗原として認識するかどうかが問題なのだと思うが、抗原に対する感受性は各人の体の状態(体調)や暴露されている量によって変わり得る。

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寝不足などで体調が悪ければ普通よりも強く反応するかもしれないし、これは体の防御機構として適切な反応だと思う。

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また、体にとっての異物の量が極端に多ければ過剰に(敏感に)反応してしまうかもしれない。これも特に理解しにくいところは全くない。

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そして一度体が異物を抗原として認識してしまうと、その情報は記憶されて、次回以降すみやかにその異物を排除しようとする仕組みになっているので、一度花粉症を発症すると治りにくいということになる。くしゃみ、目の痒み(流涙を促す)のような花粉症の症状はいずれも体の防御機構である。

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特に理解しにくいところは全く無いと思うのだが、世の中にはよく分からないという人もいるのかもしれない。それは前提の知識として免疫系の知識が無いからだと思われる。

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体内には体に侵入してきた異物を排除する細胞が何種類も存在し、異物の特徴に応じてそれぞれ役割が決まっている。

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その際にそれほど強く反応しなくてもよい物(花粉のような)に対して反応してしまう事があり、それがアレルギー反応なのだと思われる。何が原因でそのような間違いが起こるのかは恐らくよく分かっていないのだろう。

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免疫系の説明をするにしても、最小限の事柄はそれほど多く無いはずである。実際、一文で済む話である。それをわざわざ例え話を使う必要があるだろうか?

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要するに、「人によって様々な要因があるが免疫系が何かの間違いで花粉を抗原と認識してしまう場合があり、それが免疫系に記憶された場合に花粉症を発症する」と言えば済むところを「人によって許容量がありそれを超えると花粉症を発症する」と表現し、「バケツに水が貯まるように、ある一定量までは平気だが、容積を超えると水が溢れるように、花粉症を発症し、それ以降はずっとバケツから水が溢れ続けるように、花粉症は治らなくなる」という例え話を作り上げたということである。

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確かに、例え話としては実際に分かっている事柄と比較して、対応関係に問題はない。

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しかし、多少知識がある人を混乱させていることは事実であるし、知識が無い人はそれが真実だと思い込んでいる訳で、この説が広がる元を作った人は悪意はなかったのかもしれないが、悪質な性質を無意識的に有していたと言わざるを得ない。

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科学的な、あるいは医学的な知識に対して拒否反応を示す人が多いのは事実であるが、一番よいのは定義された専門用語を用いて例えを用いずに説明することであるのは間違い無いだろう。

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そうすることでしかその概念を表現できない場合があるのである。(もちろん、そうしたとしても ”正しい" 理解に必ず至るとは限らないのだが)

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とは言うものの、良質な例え話は難解な概念の理解の助けになることが多いだろう。

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例えば「働く細胞!!」というアニメは細胞を擬人化した例え話であるが、とても良くできているので免疫系について理解するにはとてもよいと思う。

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「創造性の足りない人間は、時に親切心から人々を間違った方向に導く事がある」

格言風に教訓をまとめるとこのような感じだろうか。

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これは他人事ではなく、どんな人にも起こり得る事であるので、よく考えてものを言わなくてはいけないと、肝に銘じておく必要がありそうである。

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私の嫌いな言葉に「常識」がある。

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嫌いな理由は、この言葉がしばしば非合理的な社会的な慣習などに用いられたり、知識的マウントをとることに用いられる事があるからである。

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私は非合理的な社会的な慣習には意識的に従いたくないと思っているので、そのような「常識」はできる限り無視したいと思っている。

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一方で、もし現代において「常識」とされるべきものがあるとすれば、つまり、全ての人が当たり前のように知っているべき事柄があるとすれば、

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それは、「科学的知識」や「医学的知識」が該当するだろうと思う。

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そして、それらは時代と共にアップデートされていくものであり、一度覚えればよいという種類のものではないのである。

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