"photobashiru" ...

写真を中心に、ほとばしってるものを。

たばこの燃焼と煙

 パイプはその着火の方法からも分かるように、葉の燃焼の様子を意識しやすい吸い方である。葉の燃焼には葉が炭化する過程と炭化した葉が灰になる過程とがある。炭化した葉は黒く、まだ形状を保っている。これが白い灰になると、細かいさらさらした粉末になる。この二つの過程が連続的に進行していく。まさに燃焼している状態の葉は赤熱した火種であるが、この火種は見ていると粘性のある液体のようである。燃焼が進行していくと、炭化した部分と灰になった部分が混在して空気の通りが不均一になってくるので、タンパーで押しつぶして整えてやると、またうまく空気が流れるようになる。最後の方は燃焼が進行しやすくなるので、温度が上がり過ぎないようにとりわけ注意が必要である。最後までうまく吸い終えることができると、ボールを逆さまにひっくり返すだけでさらさらと灰だけが落ちてくる。これは何とも気持ちの良いものである。

 パイプは葉巻に比べると、その喫味に一貫性があるように思う。しかし、パイプが変わると同じ葉でもその味は少し違ったものになるように感じる。シガーと同様、パイプも美味い煙を吸うには湿気が重要である。乾いた葉は燃焼温度が上がりやすいというのも理由の一つであるが、美味い煙というのは水蒸気と共に香り成分が気化するような条件で出てくるものらしい。このような吸い方をクールスモーキングと言うが、この言葉は恐らくパイプ喫煙から生じたものであろう。

 紫煙という言葉があるが、たばこの葉から直接立ち昇る煙は紫色の蛍光を帯びたような色をしている。一方、吸い込んで吐き出した煙は、白または少し黄色味を帯びているようで、どうしてこのような違いが生じるのか不思議である。煙がゆらゆらと拡散していく様子を眺めるのは何度見ても飽きることがなく、とても楽しいものである。