昨年、初めて画廊という場所に足を踏み入れたのが、
roid workd gallery でやっていた木原千春さんの個展だった。
木 原 千 春 (Chiharu KIHARA)Vatalism VIII @湯島 roid works gallery - "photobashiru" ...
画廊と言われても、今ひとつピンと来ない、という人が多いのではないだろうか。私のそれまでのイメージでは、ビルの一階のガラス張りの店舗に、額装された絵が何点か飾られていて、飾りきれないものは布か何かに包まれて所狭しと絵が床に立てかけられている、というようなものである。そして、少し年配の常連のお客さんが入ってきて、店主に「何か良いものは入ったかね?」などと尋ねるのである。
roid works gallery はこのようなイメージとは全く違っていた。まず、場所が湯島ハイタウンというマンションの地下一階にある。そして、店舗というよりは、展示スペースになっていて、ここで現代作家の展示をしている。個展であったり、二人展であったり、グループ展であったり。今年は毎月二つほど催事があって、私もしばしば顔を出していたが、現代を生きるアーティストの作品に触れられる場所があるというのは素晴らしいことだと思う。
ギャラリーという場所を知るまでは、アートに触れる場所といえば美術館くらいしか思いつかなかった。美術館と異なるのは、展示してある作品を購入できる点である。作品の価格というのはよく分からないものだが、自分が納得できるかどうか、というのが結局は基準になるのだろう。実際、パソコン1台分くらいの価格で、購入できる作品もたくさんあるのである。私がもっと若かった頃は、新しいパソコンのスペックを調べてそろそろ買い替えようかなどと熱中したものだが、今はパソコンの性能が充分に上がり、パソコンのスペックが自分のする作業内容を軽々超えてしまうものを手に入れてしまえば、もはや新しい製品にそこまでの驚きは無くなってくるのも当然である。パソコンでする作業も大体がルーティーンになってくるし、今ではいかに長持ちさせるかに気を使っている。自分がアートコレクターかと言われると、コレクターではないと思うが、好きな作品を購入するというのは、私にとってはパソコンを買うよりは満足感が大きく、心がより豊かになると思う。
前置きが長くなったが、今回の木原千春さんの個展は 9 回目ということだ。作品点数は 49 点と昨年と比べて増えているし、絵自体の持つパワーがどんどん増しているように感じる。会期は前回と同じくらいだと思うが、年末と年始で展示替えするとのことである。会場でもらえる図録はちょっとした本のような分厚さである。
作品は、自画像 · ゴッホ · ピカソ · 芥川龍之介などの肖像、"女性" 、といった人を題材にしたものや動物系モチーフも数多く手がけている。木原さんの代表的なモチーフと言えるアリ · ネコ、それに準ずるフクロウ · カラス · ウサギ · カエル、珍しいものでは カメ · 金魚 · ヘビ も加わっている。どれも私が好きな動物ばかりである。
アリ や カエル の作品では、特にプリミティブな印象が強く表現されているように感じるし、フクロウ の絵では、絵の具の飛沫の効果なのか、ものすごい生命力を感じる。やはり、実物をぜひ見ていただきたい。
そして、前期の目玉は何と言っても、「THE CAT」という大きな絵で 100号より大きいのではないだろうか。迫力があり、圧巻である。
会期は、
Part 1 : 2021年12月18日(土)- 12月28日(火)
Part 2 : 2022年1月5日(水)- 1月16日(日)
前期は残りわずか、まだの方は今週末足を運んでみてはいかがだろうか。
きっと欲しいと思える絵があると思う。
しかし、タイトルの紙を見てほしい、
値段の上にシールが貼ってあるのは買い手が決まっていることを意味している。
画家木原千春 ChiharuKIHARA (@kihara0529) | Twitter
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井浦歳和 Toshikazu Iura roidworksgallery ブレイク前夜 AaP代表 (@ToshiIura) | Twitter