SIGMA DP2 Merrill の Raw ファイルの形式は、
拡張子が X3F という SIGMA 独自のもので、
そのままでは Photoshop で読み込むことができない。
しかし、SIGMA が Photoshop 用のプラグインを出しているので、
これをダウンロードすれば、Photoshop で取り込み Raw 現像が可能である。
SIGMA X3F Plug-in for Photoshop® | カメラ製品 | ダウンロード | SIGMA GLOBAL VISION
しかし、使用してみたところ、どうも画像を1枚ずつしか読み込めないようで、
少々使い勝手が悪い。
(もしかすると私が使いこなせていないだけかもしれない。)
Raw 現像というと、jpeg を元に画像編集するよりも画像の劣化が少ないと
一般的に言われており、私自身そんなものかと常に Raw で撮影し、
そこから現像 · 画像編集を行ってきた。
普段は Photoshop Lightroom で一気に画像を読み込んで編集していたので、
あまり深く考えたこともなかったのだが、
不便に直面すると却って普段よりも作業の一つ一つに時間をかけるようになるようで、
実際どの程度差があるのか、検討してみることにした。
SIGMA DP2 Merrill は感度があまり良くなく、暗い環境ではかなりシビアである。
少し暗い条件で、ISO 100, F 10, 露光時間 1/80 で下のような暗い写真になったとする。
これを Raw ファイルから現像して画像編集すると、下のようになる。
おそらく光の量が少なすぎるせいで、右下の部分が緑がかった色になっているが、
それ以外の部分はかなり回復できている。
一方、jpeg 画像を画像編集すると以下のようになる。
(編集の内容を完全に同じにしたわけではないが)色やノイズの点で、
かなり画質の低下が実感できる。
少なくとも、光が少ない条件下で撮った写真を編集する際には、
Raw ファイルを元にした方が有利であることは間違いなさそうである。
次に、下の写真は、上の写真ほどは暗くなく、
画像編集なしでも良いかというレベルである。
Raw ファイルから現像し、少し明るく画像編集した場合、次の写真のようになる。
(カラーバランスを少しいじってしまったので、少し色味が異なっている。)
jpeg ファイルを少し明るく画像編集した場合、次の写真のようになる。
露出が適正な条件で撮れている場合は、Raw ファイルから画像編集した写真と、
jpeg ファイルから画像編集した写真の質的な違いはほとんど分からない。
Raw ファイルは露出に失敗した時の保険くらいに考えておけば良いのかもしれない。
私の場合、画像編集を前提とした撮り方をしているので、
適正な露出よりも多少アンダー(暗め)に撮っておき、
後から画像編集で適正な明るさに修正するようにしている。
その方が、室内など暗い環境では、
ノイズを減らすために ISO をできるだけ下げることができる、
ブレを抑えるためにシャッタスピードをできるだけ速く設定できる、
などの利点があるからである。
逆に、少しオーバー(明るめ)に撮ったとしても、白飛びさえしていなければ、
同じように適正な明るさに回復することは可能だと思うが、
感覚的にアンダー目の方が色の再現が良いような気がするので、
そのようにしている。