以前から SIGMA の FOVEON センサーが気になっていた。
FOVEON センサーは、三層構造「垂直色分離方式」を採用しており、
撮像素子のすべてのピクセルが RGB 3つの色情報を取得できる。
一方、他のカメラのイメージセンサーはベイヤー式と呼ばれ、
撮像素子の各ピクセルの上に RGB の 3つの色情報を分離するための
フィルターが使われている。
FOVEON センサーは、構造上 RGBフィルターが不要、
ローパスフィルター(ベイヤー配列で偽色やモアレを低減するために使用される)も不要、
その結果、解像感が高く自然な絵が出てくると言われている。
(もっとも、最近ではベイヤー式でも
ローパスフィルターレスのカメラが数年前から出てきている。 )
ほとんどのメーカーのカメラが Sony 製のセンサーを使っている中で、
センサー自体に個性を出そうとしているという点では大変興味深いのだが、
FOVEON センサーは三層構造であるためデータ量が 3 倍になってしまい、
データの処理に時間がかかる、高感度に弱い、などの欠点もある。
今まで、Pentax の K, RICOH の GR を使ってきて、特に不満はない。
一方で、カメラによってどれほどの違いがあるのかにも興味がある。
そこで、古い機種の中古を試してみることにした。
SIGMA DP2 Merrill は、2012年に出た実に 8 年ほど前のモデルで、
現在のモデル Quattro に使われているよりも古い世代のセンサーである。
Amazon のレビューを見る限り、今でもファンは多いようである。
金額はだいぶ手頃になってきたものの、
中古でも当時の価格の半額程度(4-5万円)である。
室内の暗い条件で ISO100, F2.8 で測定してみると、
かなり暗くホワイトバランスに違和感があった(修正済み)。
FAVEON センサーの効果なのかは分からないが、
確かに絵の雰囲気は独特である。
雨の日の暗い環境で、ISO 100, F2.8 で撮影してみた。なかなか味がある。
拡大するとピントが少しぶれているのだが、解像感が出ているように思う。
後ろの方の枝のボケ具合がなんとも言えない。
AF + MF で撮影してみた。
遠目ではそれほど気にならないが、拡大すると手ぶれしている。
もう少し練習が必要のようだ。
明るさだけわずかに変えたのみで、カラーバランスはいじっていない。
赤色の発色が良い。
これも遠目ではあまり気にならないが手ぶれしている。
木の幹の色に若干違和感がある。明るさを変更したからだろうか。
これも拡大するとだいぶ手ぶれがあったので、Photoshop でぶれを修正してみたが、
それほど改善しなかった。