最近、家族の結婚式でメインのカメラマンを依頼された。
結婚式と言っても二次会の写真だったので引き受けることにした。
個人的には、室内の撮影でフラッシュを焚くと目立つのであまり好きではなく、
今までも ISO 1600-3200 を限度として撮ることが多かった。
しかし、感度を上げるとノイズが入ってしまうし、
被写体ブレも避けられない、撮影後の画像処理に苦労する、
など、結局あまり良い写真は撮れない。
普段は外で撮ることが多いので、うっかり撮影モードを太陽光のまま、
という失敗は何度もしたことがある。
最近は、ホワイトバランスのモードをオートにしておけば、
ほとんどの場合は問題なさそうなので、ずっとオートにしている。
比較的明るい室内でも、F 8.0 でシャッタースピードが 1/30 だと、
対象が静止していればなんとか撮れるくらいだが、
手や顔が素早く動いたりすると被写体ブレは結構起きる。
他人の結婚式だったら迷わず無難にズームレンズを選ぶところだが、
最近ついに中古で手に入れた 「SMC PENTAX-FA 1:1.9 43mm Limited」を
メインに使ってみることにした。
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50 mm くらいの標準の画角の単焦点レンズを使うというのは、
結婚式での撮影の際の選択肢としてはそれほど間違ってはいないと思う。
(f が小さい明るいレンズであるなら、室内撮影には有利である。)
それでも、ISO を上げるだけではとても厳しいだろうということで、
スピードライト(フラッシュ)を始めて使用することにした。
調べてみると、「バウンス撮影」と言って、壁や天井に向かってフラッシュを焚くと、
その反射光(間接光)によって自然な光が表現できるという。
ただし、反射させる面の色には注意が必要で、黒だとほとんど反射しないし、
木目調だと色かぶりが起きて後で補正が必要になる場合がある。
バウンス撮影をするには首振り機能のついたスピードライトが必要だが、
最近は中国メーカー(NEEWER)のもので 3,000 円程度で入手できるものもある。
今回は初めてだし、PENTAX 機(K-1)にも対応しているので、
これを使うことにした。
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使い方は簡単で、単三電池を4本(eneloop を使用)入れて、
カメラの上のところにつける。
カメラ自体の撮影モードを「X(フラッシュ同調速度)」に合わせると、
シャッタースピードは 1/200 がデフォルト(設定で 1/160, 1/125, 1/100 に変更可)、
F と ISO を調整できるようになっている。今回は、F 8.0, ISO 1600 で撮影した。
(フラッシュの光を無駄なく使用するには、シャッタースピードは 1/60 - 1/125
にすると良いらしい。)
今回は、シャッタースピードは 1/200 で使用したので、被写体ブレは全くなかった。
スピードライト本体は、電源を入れて、MODE を「M」にすると同調して発光する。
POWER ランプが赤く点灯している時は発光可能である。
実際に使ってみると、入門機にあらかじめついているフラッシュと比べると
光量が断然多いし、色合いも自然である。
仕上がりも良いし、Raw 現像の手間もほとんどなく、
一度使ってしまうと使わずにはいられなくなると思う。
使用する時に注意すべきなのは、最大出力だと連写に追いつかないという点である。
スピードライトは、コンデンサーに電気を貯めてそれをフラッシュで放出した後は、
また電気を貯めるのに時間がかかる。
今回使用した NEEWER TT560 SPEEDLITE の場合、
Power Level を 1/1(最大)や 1/2 で 20 回以上連続して使用すると、
温度上昇を防ぐための機構が作動し、さらに充電時間が多くかかる(10-25 s)
ようになっている。
1/1 で使用していると壊れやすい(寿命が縮む)ということもあるようなので、
1/32, 1/64, 1/128(最小)あたりを使用すると良いらしい。
今回はこのことをよく理解していなくて、
しかも天井が黒くて(幸い壁は白)天井にバウンスできないという環境だったので、
フルパワーで上方の壁の白い部分に向かって発光させていたが、
連写した後に何度か光らなくなってシャッターチャンスを逃した。
(それに、フルパワーだと結構眩しい。)
ちなみに、「バウンス撮影」の bounce という英単語は、
「はね返る、反射する」という意味で、
The ball bounced off the wall. (ボールは壁ではね返った。)
のように使用する。
日本語ではスポーツなどでボールが跳ね返ることをバウンド(bound)と表現するが、
英語だと bounce の方が普通らしい。
英語の bound だと、bind の過去形 · 過去分詞形(縛られた, 束縛された, 結ばれた)
の方がイメージしやすい。
また、ストロボ(strobe)の語源は、
ストロボスコープ(stroboscope; 高速で回転する物体を観察する装置)
という商標だそうで、
フラッシュ(flashlight; 閃光)とかスピードライトの方が用語としてはふさわしい。
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参考 WebSite
カメラ初心者向け!ストロボ・スピードライトの使い方、バウンスについて徹底解説! | FABREC
BraveJourney2.0: 結婚式で20回くらい写真を撮ってみて分かったこと
結婚式で写真を上手く撮りたい?じゃあ、クリップオンストロボで解決だね!|おーわグラフィー