"photobashiru" ...

写真を中心に、ほとばしってるものを。

熊本 人吉(2017. Aug.)

人吉(ひとよし)には、米焼酎を造っている白岳(はくたけ)酒造研究所があり、

一般に公開している施設としては「白岳伝承蔵」がある。

この建物は、かなり綺麗になっていた。

酒造りの展示、歴代コマーシャル動画などで楽しめるばかりでなく、

お土産コーナーでは限定物の商品も扱っていたりする。

試飲できるものも少し置いてあるので、

下戸の人に運転してもらって来るのがベストだろう。

実はここに来るまで知らなかったのだが、人吉は「夏目友人帳」の舞台だという。

言われてみれば、のどかな田園風景はまさしくその雰囲気である。

お土産コーナーでは「ニャンコ先生の前掛け」が売っていて、

使いもしないのに購入してしまった(帰ってから家族にあげた)。

あと 1 点、強烈な印象を残したのは、入り口付近にかかっているラッセンの絵である。

ラッセンというと、"イルカと海の綺麗な絵" というイメージが強く、

正直なところあまり好きではなかったのだが、

ここに飾ってある絵は(恐らく人吉の絵だろうと思うのだが)、

水車のある小屋、収穫時期の稲穂といった田園風景が描かれていて、なかなか良い。

全体的に茶系統の色合いなのだが、ラッセンの色使いによって、

実に鮮やかで新鮮な感じがした。ラッセンの良さは、

むしろこのような地味な対象を描いたときにこそ発揮されるのではないだろうか。

 

人吉城跡は今では石垣が残るだけの緑豊かな公園であるが、

かつては相良氏(さがらうじ / さがらし)が 35 代にもわたり在城していた。

人吉藩は、藩主家の相良氏が鎌倉時代から明治維新まで、

(670 年もの間)領主として存続したという点で、極めて稀な藩の一つだという。

一方で、お家騒動 · 事件が多いという点でも稀な藩であるそうで、

1755 年の大水害が発端となった「竹鉄砲事件」によって、

藩主の相良氏の血統は実際には断絶した(秘匿されていた事件)。

1862 年にあった寅助火事(とらすけかじ)は、

鉄砲鍛冶の恒松寅助の家から出火して、人吉城内にまで飛び火した大火災だった。

この火災の復興資金として一万五千両の借金が必要となり、その一部を薩摩藩

工面したことから、以後人吉藩薩摩藩の関係は親密になったという。

鉄砲鍛冶の寅助は失火後に薩摩国へと逃れたが、幕末の動乱の最中であった為に

寛大な処置(失火料を課せられたのみ)を受け、帰藩が許された。

1877 年の西南戦争では、人吉城西郷隆盛軍の拠点となり戦闘が行われたが、

この際に全焼した。

以上のように、Wikipedia を参考にかいつまんで書いてみたが、

歴史的にはなかなか興味深い場所である。

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Camera: PENTAX K-5, Lens: HD PENTAX-DA 1:2.8 35mm Macro Limited

現在の城跡には、綺麗なトンボやハンミョウが見られた。

子供の頃に図鑑でしか見たことのなかったハンミョウは、「みちおしえ · みちしるべ」

などと呼ばれるように、近づくとすぐに飛び立ってしまうので、

今回はあまり上手くカメラで捉えることができなかった。

 

青井阿蘇神社(あおいあそじんじゃ)では、見事な蓮が見られる。

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

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Camera: PENTAX K-5, Lens: smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR

人吉には温泉もある。

「華まき温泉」は、小さな地元の温泉という感じで、気持ちの良い炭酸泉であった。

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参考 Web site

人吉藩 - Wikipedia

寅助火事 - Wikipedia

人吉城 - Wikipedia